"あぁ、こんな事もあったなぁ…" なんて、呑気に考えていると、 いきなり廊下が騒がしくなり、教室にいる女の子達もそわそわし始めた。 その時、 「きゃー!王子ー!」 「王子かっこいいー!」 などの黄色い声援が、ある人物に対して向けられた。 "…来た" と、羽美は心の中で思い、ちらっと廊下に目を向けた。 そこにはやはり、羽美の予想通り、 南野稜太 通称"王子" 羽美の好きな人が、"王子スマイル"を振りまきながら、 羽美のクラスの前を通り過ぎようとしていた。