――――― 稜太の家庭事情を知ってから羽美は、稜太をよく見るようになった。 教室の前を通った時はもちろん、 女の子たちが悲鳴をあげたら、その後ろから見守るように稜太を見つめる。 時にはそれだけでなく、 グラウンドで体育をやっている子たちの中から稜太を探し、ずっと見ていたり… と、ここ数日ですっかり稜太の虜になっていたのだった。 "こんな短期間で虜になっちゃうなんて…あたしって現金な女だなぁ…" なんて自分でも思ってしまう程だった。