何も聞こえない。 耳を叩くのは自分の静かな呼吸と、激しい心音だけ。 靴音はどこに行ったんだろう…… 構えていた体の力を抜いて、辺りを見回す。 警戒は解かないまでも、少しの油断を纏って。 カツンッ 何か硬い物が床に落ちるような音が響き渡る。 私のすぐ後ろで―――