春の魅力に気付いたっていう点では合格だけど、無理やり連れていくなんてのは論外だ。 本当に愛してるなら、いつでも相手を一番に考えなきゃね。 一方通行の恋情はただ鬱陶しいだけだから。 「……っと」 とある廃倉庫の前に立ち止まる。 ……ここを墓場に選ぶなんて、悪趣味にもほどがあるなぁ。 それにここは春にとっても――― そこまで考えて、ツーッと嫌な汗が頬を流れた。 これなら僕がいなくてもよかったかな。 あ、でも攫われたお姫様を救うのは王子様の役目だからね。 他の家畜には、あげない。