「片付いてないけど、どうぞ……」 戸棚にあるコーヒーの缶を取り出しながら彼に言う。 彼は笑顔のままソファに腰掛けて、 「二人で暮すようになってから引っ越したんだね」 「え?」 「前のお家、燃えちゃったでしょ」 「え、あ……うん、あの時はいろいろとありがとう」 どうしてその事を知ってるんだろう。 両親の“溺死した焼死体”が発見されたということも知ってるのだろうか。