隣に住む『お兄ちゃん』が遊びに来るようになったのは、すでに私たちがボロボロになっていた頃だった。 穏やかな優しい笑顔を浮かべた『お兄ちゃん』は、光を灯さない濁った私たちを見て諭すように言った。 『もう大丈夫だからね』 その言葉は麻酔のように私たちの凝り固まった心を弛緩させ、感情をあふれさせた。 泣き崩れる私を見ても、『お兄ちゃん』はやっぱり笑顔を崩さない。 その時は気付かなかったんだ、この人の異常に。 人を傷付けることで快感を得る、 父親と同じ種族なのだということに……―――。