、セミの声、ぎらつく太陽。ここはバーちゃんち



「あっつ〜い・・・!!」




ふぁー眠くなってきた。
そーそー。あれは去年の冬だったなぁー。
思い出したくもないや・・・
   



ーー俺、チャライ女きらいだから。ーー





「・・・っ!」ガバァッッ
はぁぁ、またあの夢だ・・・
気がつくと夕方、目には涙が浮かんでた・・・。
もう思い出したくもないのになぁ・・・。 



「どぅした?しゅら。食欲ないのかい?」
「ううん。なんでもない。」
「ふーん。そうかい」
やっぱばーちゃんちはおちつく
あ、うちは加藤朱羅!
かとうしゅらとよみます!
みんなにはカシューって呼ばれてる
ふつーの名前で、ふつーのみためで
何もかもふつー
何もかも・・・


次の日。
「じゃあね、バーちゃん。また来るよ。」
「うん。しゅら、元気でね。」
「バーちゃんも」
そう言って、お母さんの車に乗った
「楽しかった?バーちゃんち。」
「楽しかったってか、しずかだった笑」
「よかった。」
「なんで?」
「ううん。楽しそうにしゅらが笑ってて。久しぶりだなって思ったよ。」