彼氏はおとーと



千秋とは違う、低い声



「これ、勝手に持ってきちゃったけど・・」




そう言って真っ白なタオルで涙を拭き取る





大事なものを扱うように、





ゆっくりと優しくあたしの顔を拭く




「急にあんなこと言ってごめん」


「・・・・・」


「泣かすつもりは無かったんだけど・・・・・」


「ごめんね・・」


「何が」


「・・・・・・泣いたりして・・・・」


「お前が悪いんじゃない」







頬に



温かくて大きな賢斗の手があたる





苦しくなった







*