騎士契約



「憎いからだ
私は悲しみと苦しみ
憎しみという感情しか
持ち得ていないからな

こんな世界壊れて
しまえばいい

我はお前さえいれば
何も要らない」



そう言った血影は
寂しげに笑った




「……あなたが世界を
壊したいのは
あなたが誰かを傷つける事
が悲しいからよ」


ステラの言葉に
血影は目を見開く




「世界を壊してしまえば
あなたは何も傷つけ
なくて済むから」



ステラは血影を
真剣な眼差しで見つめた




「……黙れ……」



血影は今までの声とは
比べものにならないくらい
低い声で呟く





「あたしさえいれば
いいと思うのは
あたしとあなたは
同じ孤独を知っていたから」



あたしは世界を救う姫

血影は世界を壊す者



お互いに孤独だったのだ
生まれたくて生まれ
たんじゃないのに




「…私は望んで一人なのだ」


血影はステラを
睨みつける