「本当。なぁ返事聞かせてくれる?」
「僕は、
僕は好きなんかじゃない
もう、こないで
そんな風に思われてるなんて
気持ち悪いから」
でも、僕はもう死ぬから
翼が好きだけど、好きだから、自分の想いは言わない。
言えないよ…
翼のこれからを奪えない
もう死んでしまう自分の、少ない未来と
翼の、これからあるたくさんの可能性、未来
天秤にかける以前にわかりきっている
だから僕は嘘を吐く
醜い
ミニクイ
嘘を
翼に嫌われてしまえばいい
自分なんか
「……そうかよっ!
悪かったな」
そう言って翼は病室から出て行った。


