【BL】最期の願い






翌日





「涼君。お母さんも」

主治医の宮城さんに呼ばれた。
理由は、なんとなくわかってる








翼は来てくれた

「昨日は悪かったな」

本当にすまなそうに言う翼に何も言えなかった。

「大丈夫だから、気にしないで」

「……」

「……」

室内に降りる沈黙






「俺、明日退院するんだ」

それを翼は静かに破った

「そっか」

これからは毎日会えないんだ、そう思うと少し寂しくなった。

「これからは毎日あえねぇな」

翼が同じこと思ってくれた
それがすごく嬉しかった

「なぁ、涼」

いままで聞いたことのない真剣な声色。

「なに?」

「俺さ、




お前が好き。




友達として、じゃなくて恋愛対象で」


「……ウソ」

本当に嘘だと思った。
だって、こんな
こんな夢のようなことがあるわけない。

好きな人が自分を好きだと言ってくれるなんて。
だって、初恋は実らないっていうから