「きっとそれはね」
今まで黙って聞いてくれていた宮城さんが
静かに口を開いた。
「涼君は翼君のことが好きなんだよ」
「すき?
でも、それって女の人に思うことでしょ?」
前に読んだ本にあった。
好き。
それは女の人に、異性に感じるものだったはずだ。
「好きになることに、性別なんて関係ないと思うよ」
そんな僕の言葉に宮城さんは続ける
「すき」
言葉にしてみると、スッと心に収まった
そっか
僕は翼が好きだったんだ
それがわかって
嬉しい半面
悲しいものもあった
だって
普通は同性にこんな感情は抱かない
きっと気持ち悪がられる
それなら
告げないでいた方がいい
その方が一緒にいれるだろうから……


