ヤンデレ



「にゃんにゃにゃーん。ご主人様早く帰ってこないかな?」



 僕は飼い猫のフィー。言葉も話せるし、人っぽいけど一応ネコミミが付いた猫なんだよ。少し人よりスタイルがいい猫なんだよ。



 人間の年齢で言えば十六歳。ご主人様と同い年なんてなんか運命感じちゃうでしょ。



 僕はご主人様の部屋の窓からずっと下を眺めている。『ベッドの上に登るな!』って言われるけど、それはご主人様がいないときは別に何やっても良いんだ。



 何で?それは僕が可愛らしいご主人様のペットだからさ。



 僕は捨て猫だったんだよ。心もとない飼い主が冷たい雨の中、僕を置いて逃げて行ったんだ。僕はずっと鳴いてたけど、誰も拾ってくれるどころか足も止めてくれなかった。



 もう駄目だと思ってた時に僕はご主人様に拾われて九死に一生を得たんだ。これは運命なんだって。僕は思ってる。



「あ、ご主人様が帰って来た!すぐにお迎えに行かなくちゃ!」



 僕は慌ててベッドから下りて、部屋を出て、そして一階の玄関に向かって全力で駆け降りてご主人様が出てくるのを待った。