「さー、そろそろ帰るか」



みんなが帰っていく中で、哲がポツリと呟いた。



「そうだね。もう終わったし。じゃーね哲」



立ち上がって、ステージから降りようとすると腕を掴まれた。



「…一緒に帰らない?」



「えッ?」



「いや、ごめん。嫌だよな」



パッと手を離して、立ち上がった哲。



あたしが何も言わないでいると、ステージを降りてしまった。



「哲!」



あたしが哲を呼び止めると、ゆっくりと振り返った。



「一緒に、帰ってもいい?」



「えッ?」



「哲と一緒に帰ってもいい?」



そういうと哲はにっこり笑って、“もちろん”って言ってくれた。