ピュリファイ:お金がない!

あたしのお父さんのことは、言いたくもない。

あたしのお父さんは、外では、偉い人。

日本を動かしているくらいの、えらい人らしい。

外では、とても疲れるらしい。

だから、家に帰ると、あたしをなぐる。

役立たず、って、なぐられる。

ただ、それだけ。



お母さんが家にいたときは、お母さんが殴られてた。

あたしは、怖くて、震えてた。

お母さんを助けられなかったのは、確かに、悪かったかもしれない。


こっそり、110番に電話をかけたこともある。

でも、おとうさんが警察官と話して、警察官は帰っていった。

そのあと、よけいに、お母さんは、ひどくなぐられてた。



それから、あたしは、なにもでくなくて、震えるだけになった・・・。




おかあさんは、自分だけ、逃げた。

あたしは、捨てられた、と思った。

なんとなく、まちを、ふらふら歩くようになった。

それで、なんとなく、流れで、あたし自身を、安売りするようになった。

あたしの部屋は、お札と、ブランド物の洋服やバッグで、あふれるようになった。

でも、あたしは、寂しかった。




あたしがおとうさんから殴られるようになったのは、それから何ヶ月かたってからだった。