ピュリファイ:お金がない!

なんとなくあたしたちは、手をつないで、歩き続けた。

男の子が、言った。

「のど乾いたね・・・。

 あ、また、自販機、壊されてる・・・。」

 男の子は、ドアが壊れてジュースが丸見えの自販機に、駆け寄った。

 そして、ジュースを2,3本、つかんだ。

 「はい、どうぞ」

 「え・・・?」

 男の子は、にっこり笑って、ジュースを私に差し出した。

 いったい、何がどうなったんだろう?

 でも、「夏みかんゼリー」のジュースは、おいしかった。

 ちょっと遅れた秋のせみが、うるさく鳴いていた。