売りをやっていた女の子の中に、田舎から飛び出してきていた子がいた。

ゆりさんは、その子を、コーヒー店に呼び出した。




あたしも、ユリさんに頼まれて、一緒についていった。

最近は、護身用のナイフとかを持ってても、一人で出歩いたらとても危なかった。

だから、あたしたちは、絶対に、外出するときは、二人以上で歩くようにしていた。

もうなんだか、あたしたちは、仲のいい親子か姉妹みたいになっていた。




「ねえ知ってる?

 このコーヒー店は、自分の会社の畑でコーヒー豆を作っているの。

 だから、今、お店をあけられるの。

 でも、こんなお店は、ほとんど無い。

 ほとんどのお店は、閉まったまま。」

ユリさんは、アイスコーヒーをすすりながら、その女の子に静かに話しかけた。