ユリさんは、続けた。

「何が違法か、そうでないのか、さっぱりあたしには、分からない。

 いきなり、捕まったり、いきなり、税金を持ってかれたり、て事件が、最近すごく多いじゃないですか?

 始めたい商売はあるんです。

 でも、不安が多すぎます」

「何を始めるの?」

あたしは、聞いた。

「小さな居酒屋みたいなお店。
 
 ただ、こういうことって、だまされたり、色々ありそうだから・・・。」

「そういうことなら、手伝おう。

 というか、経理とかも手伝えると思うよ。

 簿記2級は持ってるし、企業の決算なんかもよく見てたし。

 企業内弁護士みたいなもんだな。

 そういうことなら、いいなあ。」

おじさんは、すっかり、乗り気だった。

「うちの家内の料理は、結構いけるだろ?

 料理人は、家内で決まりだ。

 ウエイターが、エージ君と、トモちゃん。

 店長で社長が、ユリさん。

 こりゃ、いいや。」