ピュリファイ:お金がない!

「トモちゃんがお金持ち?」

エージが、意外そうな顔をした。

「・・・冗談、に決まってるでしょ?」

ゆりさんが、あわてて、フォローした。

あぶない、あぶない・・・。




 

「あ、つきました。あたしの家、ここです。

 この駅で、降ります。」

あたしが、エージとユリさんに、声をかけた。

「がんばろうね。なんだか、ひどいことになっちゃったみたいだけど。」
 
 若いお母さんが、そういいながら、にっこり笑った。

 
 あたしは、ガッツポーズをした。


 小さな女の子も、ままのまねをして、ガッツポーズをした。

 かわいい。


 あたしたちは、思わず、笑った。

「ありがとう」

「ありがとうございます」

「ご親切に」

 あたしたちは、口々に、女の人に、返事をした。


 あたしたちは、電車を出た。

 おどろくのは、これからだった・・・。