ピュリファイ:お金がない!

電話の向こうの声は、悪いことを言った、と思ったのか、あたしにあやまった。

「ごめんごめん。

 でも、ほんとうに、あなたのお宅に、おせわになっていいの?

 ベイビー、あんなに、帰りたがらなかった、家なのに?」

やっぱ、ユリさんは、いい人だ。

「一人じゃ帰れない・・・けど、みんなといっしょなら」

「友達よんだら、おこられるんでしょ」

「おとうさんは、家に帰らないと思う」

ほんとうは、帰ってきてほしくない、と思ってるだけなのかもしれなかった。

もし、それで、おとうさんにひどくなぐられるなら、あたしは、男の子と一緒に、凍死したい、と思った。

「あ、そうそう。

 ゆりって、あたし、本名なんだ。

 だからそれそのまま、呼んでね」