ピュリファイ:お金がない!

男の子は、電話の向こうの声と、話し始めた。

「ああ、あねき?

 いま、なにしてる?

 ・・・うん。

 コンビニのバイト、危ないから、帰ってきた。

 客の、おばちゃんがつかみかかってきたよ。

 死ぬかと思った。」



男の子は、あはははは・・・と、乾いた笑いをしばらく続けた。




「・・・うん。

 で、たまたま、コンビニのお客さんの女の子で、いい子がいて。

 家に、小銭がたくさんあるから、しばらく生活できるんじゃないかって。

 とまりに来てもいいって。

 うち、裁判所から、書類が届いてたろ?

 もうすぐ、住めなくなるだろ?
 
 だから、この子の家に、やっかいにならない?

 女の子に、代わろうか?

 えっと、トモちゃん、ていうんだけど。」

 あたしは、心臓が、ばくばくした。

 あたしは、電話に出た。