雄一との最後の電話を終えた次の日からは会社を休んだ。



電源を入れたら、雄一の着信とメールでいっぱいだと思い、携帯もすぐに新しいものに変えた。



一日中、涙を流してはお酒を飲む以外何もしなかった。



一週間、会社を休んだ後退職を決めた。
何もかもがどうでもよかった。


上司に散々止められるも、有休を消化して辞める事を決めた私は結婚も仕事も失った。

仕事が大好きだった自分では考えられない。





気がつけば、雄一と別れた夏は過ぎ去っていて、もう冬になっていた。


いつの間にかストーブが必要な時期になっていたのに、外へ買い物に行っても、季節を感じることなどなかった。




貯金を食いつぶして生活している。

必要最低限の食料さえあれば、買い物も必要ないしおしゃれも必要ない。
家賃と光熱費以外はほとんど掛からない生活もあってか、思ったより貯蓄の残高が減ることもなかった。






私には何もない。

そう思った。