「いい人じゃん。雄一くん。」



「どうして知ってたの。」

何故、別れのいきさつを知っていたのか。



「俺が泊まった日、あんたずっと雄一くんと俺を間違えて話しかけてた。

だから俺、ずっと雄一くんとやらになって一晩付き合ったからさ。」



嵐は続けた。


「俺、伊織ちゃんみたいに大人ぶってても子供っぽいヒト好きだよ。

でも、雄一君にはもったいないから応援しなかった。


もっといい出会いあるよ。」





無邪気に笑う嵐。







この時


知る由もなかった







嵐の瞳の奥の暗くて深い闇―