三軒目の店に行くことなく家に帰り、部屋に入った途端ベッドに身を投げた。


いきなり尽くしで驚きの1日だったが、何もしないうちに就職先まで決まってしまった。


正直、この年になって水商売を始めるのには抵抗がある。

私には特段、どうしても水商売をしなければならない理由がなかった。



借金があるわけでも、バツイチ子持ちでもない。


だけど今はひとりの夜が長くて辛いから丁度いいのかもしれないと思った。


きっと里奈が店を紹介してくれたのは、私を思いやっての事だろう。

その日は化粧も落とさずに眠りについてしまった。