見たことのない天井
「あぁ…またヤってしまった」後悔してもしきれない。なんて愚かで浅はかなんだろうか。
自分を嫌いになりそうで、余計悲しくなった。

…だって、自分が解らないんだもの。いつだって現実と異次元の間に居るような、半透明の世界に浮遊している気分なんだもの。

生きたいのか、死にたいのかさえ解らないんだもの。
私は重たい頭に手を当て長いため息をついた。
横をみると頭が見える。あぁやはり知らない男だった。
頭もズキズキする、昨晩沢山飲んだに違いない。

どうしてこうも私は誰でもウェルカムなの!?
自分が腹立たしくなる。

ギシッと音を立て私はベッドから降り下着を探し始めた。

「全く…お前はふしだら…極まりなぃ女なんだから…」ぶつぶつ呟きながら部屋を見回す。

天井の壁紙はツタの柄で壁面は深い緑一色。
ベッドはダブルで海を思わせる青のカバーと薄い紫のpillow…灰かむりが横たわりそうな豪勢な暖炉

そして一際目立つ純白の扉の横に2つの角の生えた金色の華奢な椅子
その椅子の上に私の服が綺麗に畳まれて置かれていた。
「やだ…私がたたんだの!?」行きずりのパターンで畳んだ事なんて一度もなかったのに。
私は不気味に思ってそそくさと着替えを済まし、髪を整え、口紅を塗った。

早く帰ろう、ここから出ようと思い、真っ白なドアノブに手を掛けたその時「朱鳥さん?」と声をかけられた。