ホスピタル




「俺基本、女に興味とかないから梨愛ちゃんの事も全く知らなかったわけ。でも隼人とかが騒いでて、見てみたらすごい可愛くてさ。でも俺が梨愛ちゃんを知ったのって今年の5月ぐらいなの。なんかすごい寂しそうな顔たまにしててそれがすごく気になった。それで目で追うようになって目が合った時、にこって笑ってくれたのがすっげー、やばいぐらい可愛くて..。なんかやられたって感じだったんだよ!」



ゆっくりと思い出すように拓也君はそう語った。


なぜだかすごく、動揺した。



あー5月。

その時期が1番
自分の中で辛かったのかもしれない。



今まで私に告白してくれた人はみんな、決まって私の笑顔が好きだと言った。


いつもにこにこ
してる所が好きだと言った。


なのにこの人は、
私の寂しそうな顔を見て
私の事が気になったと言った。



そんな人は初めてだ。




なんだか素直に嬉しかった。



「私、寂しそうな顔してたのかな。ありがとうね。気になってるって言ってくれて嬉しいよ」



思った事が正直に口にでた。



「いいよ別に!何か嬉しいって照れる」



拓也君は恥ずかしそうに笑った。