話を聞いたところで本人がロンドンに行くと行っている以上
話しをする意味があるのか?

それとも気が変わったのか?

そんはずない!俺のことなんてちっとも考えてないんだ!

頭ではそう考えていても気持ちは裏腹。


「なにも期待せずに話だけでも聞くか・・・」


せっかくミキとも友達になったのだから・・・

これでミキとも会わなくなるのは良くない。

俺は昼過ぎにヘコンデルタに乗り込みミックとミキの所へ行った。

サマーが居ないか恐る恐るドアをノックした。

中からミックとミキが出てきた。

ミックは「Hey Man」といって優しく俺をハグした。

ミキは早く俺に伝えたかったのか少し興奮気味だった。

ソファーに座ると早速ミキが話を始めた。


「アキが帰った後サマーはずっと泣いてたんだよ!」


「サマーが?」


信じられなかった。

あの時のサマーの表情からまさかその後、
泣くとは想像もしていなかった。

ミックがサマーを抱きしめ、
泣き止むまで2人で慰めていたらしい。


「アキに”オーストラリア人ってこんな酷い事するんだ?
この国も嫌いになった”って言われたのが相当ショックだったみたい。」


「あっそうなんだ。」


言い過ぎたとは思ったが、俺の気持ちに火をつけておいて
突然ロンドンへ行くと言ったサマーも悪いはずだ。


「サマー言ってたよ、これ以上アキのこと
好きになるとロンドンに行けなくなるって。」


「サマーがなぜロンドンへ行きたいかというと、
自分が家族にいつも冷たく当たってしまうから
自分を変えるために一人でロンドン行きを決めたらしいよ。」


「それとサマーは、お嬢さん育ちの所あるから
自分一人で生活したかったんじゃないかな?」


「だからサマーは自分の気持ちを押さえて
アキに告白するのは大変だったと思うよ。」


「・・・・・」


俺は黙ってうなずいていた。