俺がショックでうつむいていると、サマーが


「話があるから・・・」


と、俺を呼んだ。

俺は刑期を告げられた犯罪者のように肩を落しサマーの部屋へ行った。

しかしサマーの顔はこれから別れ話を告げる
といった表情ではなく、少し笑顔に見えた。

が、次の瞬間


「やっぱり友達でいましょう」


「・・・・・」


やはり恐れていた事が的中した。

俺は何も言えずただ黙って聞いていた。

しかしサマーの顔は真剣な顔とは言えず、
なにかこのゲームを楽しんでいるように見えた。


「私ロンドンに行くからアキと近くなるのが怖いの」


「なんでもっと早く言ってくれなかったの?」


「・・・・・」


「突然そんなこと言われても・・・俺の気持ち分かる?」


最初は怒りを抑えていたがサマーに問いただし始めると、
怒りが爆発してしまった。


「オーストラリア人ってこんな酷い事するんだ?この国も大っ嫌いになったよ!」


俺はそのままサマーの反応も見ずに外へ飛び出し、
ヘコンデルタに乗って自分の家へ向かった。

頭は真っ白になり体中は振るえ、
この怒りを何処にぶつけていいかも分からずただ


「チキショー!」


を連呼していた。


「あんな酷い女と出会わなければよかった!」


「こんな街出てってやる!なにがケアンズだチキショー!」


本気でケアンズを出ようと思った。


「ゴールドコーストにでも行ってやるか!」