パーティーも毎晩のようにありミックとミキ、

ロブとティナそして俺とサマーの6人でよく出かけた。

出かけたといっても誰かの家でパーティーをするのが常識だった。

個々に酒や食べ物を持ち込んで友達のまた友達の
パーティーへ潜り込むこともあった。

毎日夢のようだった。

ケアンズへ来た当初は義理の姉夫婦しか知り合いはなく、
昼間は一人で過ごしていた。

本当に退屈で人恋しくクレイジーになりかけた。

最初は知り合った日本人から輪を広げていき、
その輪は膨らみ今ではサマーと付き合えるまでになった。

まるでわらしべ長者になった気分だった。

自分はラッキーだったのかもしれない。

いやっ、ケアンズと言う小さい田舎町
だった事が良かったのかもしれない。

だれもが知り合いとまではいかないが街を歩いていれば、
必ず知り合いに会うことができる。

そしてパーティーでオージーと話をすると


「その人知っている!」


と、よく耳にする。そして必ずその後に


「スモール・ワールド!」と言う。


それぐらい狭い街なのだ。


夢のような日々が一週間経った頃だった。

サマーの様子がおかしい。

なんだか機嫌がよくない。
ここ2、3日ミックやミキとばかり
話していて俺とはあまり話したがらない。

おまけに今日の朝は特にそっけない。

それにいつも気になっていた事がある。

「I LOVE YOU」と言っても返事が無いどころか

「それは言わないで」と言われたことが何度かあった。

夢のようだった日々は俺だけだったのか?

気になったのでミキに聞いてみた。


「もしかしたらあの事かもね・・・」


いやな予感がした。