しかしその夜、自分の部屋に帰りドアを閉めた瞬間
熱い思いがフツフツと沸きあがっていった。

もちろんマドンナのボーダーラインのBGMと共に・・・

胸がしめつけられ「ハ~」「ハ~」とため息しか出ない。

まるでサウナから出てきたオヤジの様に・・・

そして気が付くと俺とサマーの10年先のことまで図々しく考えていた。

5年後には結婚して・・・

7年後には子供も生まれて・・・

10年後には十周年記念として何処に旅行しようか・・・

もう一度言う!なぜ女はここまで考えないのか!

それともただ単に俺がクレイジーなのか?

言いたくないが、たぶんクレイジーなのだろう。

一度のキスでそこまで考えたくないが
自動的にそうなってしまうのだからしょうがない。

これ以上考えると100年先まで考えてしまいそうなので
すこし気分を変え日本の免税店で買い置きしてあったバーボンをラッパ飲みした。

それと今夜の酒のつまみはちょっとメランコリックなクリス・レア。

ウォークマンにクリス・レアのカセットを入れ10分後、爆睡。

気が付くと既に朝で、クックバラという笑う鳥の異常な笑いっぷりに起こされた。


「やばい!バイト遅刻しちゃう!」


普通ドラマだとトーストをくわえながら走って
駅に向かう設定だが俺の場合まだ朝の6時だった。


「うっせーな!まだ寝かせろよ!」


9時に目覚ましを掛けもう一度ベットに潜った。


「リリリーン」


「うっせーな!まだ笑ってんのか!」


時計を見ると9時30分


「やばい!バイト遅刻しちゃう!」


バイト先の街までヘコンデルタで20分
急いで歯を磨きトーストを探したがない!


「買ってないからある訳ないか・・・」


「何かないかな?」


冷蔵庫を漁ったがめぼしい物がない


「これでいいやっ」