毎度の事に慣れたミキがそう説明した。


「なるほどね・・・」


そしてこうも付け加えた


「ケアンズは狭いからね・・・」


よく話を聞くと、ケアンズは狭いので下手な事するとすぐ噂になるし、
もしかしたらここの店員がミックを知っているかもしれない。

仮に知らないとしてもここの店員の知り合いがミックの知り合いかもしれないということだった。


「下手な事出来ないね・・・」


サマーはサマーでIDを見せろと言われていた。


「サマーいつも聞かれちゃうね。」


ミキが同情した口調で言った。

しかしサマーの顔は日本人から見ても二十歳には見えず、
地元のオージーからだと余計に歳が低く見られるのではないか?

便利で早いドライブスルーもこれでは意味がなかった。

気を取り直して俺達はロブの家へ向かった。

途中気になる事があったのでサマーに聞いてみた。


「お酒飲むの?」


「うん。なんで?」


「帰り車どうするのかなと思って・・・」


「一杯しか飲まないから大丈夫」


「大丈夫ってクルマ運転するの?」


するとミキが


「ケアンズでは二杯ぐらいの量だったら捕まらないから。」


「そうなんだ・・・」


「そういう法律なのよ。」


「へぇー」


初めての海外なので日本との違いも色々とあるだろうとは思っていたが

「二杯まで飲んで運転OK」とは信じられなかった。