「今日仕事どうだった?」


ミキがサマーに訊ねるとサマーは日本語で返し、


「How Are You Doing?」


ミックが英語で訊ねるとサマーは英語で返す。

英語の時は声のトーンが低いというか地声に聞こえるが、
日本語になると突然かん高い声になる。

そのギャップとサマーの表情がとても新鮮だった。

俺はますますサマーに興味を覚えた。


「今夜どうする?」


ミキがサマーに聞くとすぐさまミックが


「ロブの家でパーティーあるから行こう!」


「Ok!」


ミックがおしとやかにしている俺に


「アキも来るだろ?」


「待ってました!」とばかりに入学したての小1の様に大きくうなずいた。

日も落ちてきた頃、俺達は酒を買いにクルマで出かけた。

車の運転はサマーがした。と言うより他に運転できるヤツがいなかった。


「こっちのパーティーってどういうことするのかな?」


日本でパーティーと言ったらバースデイパーティーを子供の時にやったぐらいで、
近頃はパーティーというものに参加した記憶がなかった。

海外の映画ではよく家でパーティーするのを見ていたが、
自分もそれに参加できると思うとワクワクしてきた。

しばらくすると酒屋らしき店が見えてきた。

クルマを止めて店に入ると思いきや店の裏側に車をまわした。

すると、なんとそこはドライブスルーだった。

オーストラリアでは酒までドライブスルーで買えるのだ!

ミックは騒がしくしゃべっていたのを急に止め下を向き始めた。

どうしたのかとミキに聞くと


「まだ17歳だからあまり見られない様にしてるのよ。」