例えばこういう会話をよくしていた。


「昨夜電話したけど、なんで出ないんだよ!・・・やってたな”ナニオー”!」


「・・・・・」


「30分後にも電話したのに出ねーの!・・・ずいぶんなげーな?お前”ポンイ”だろ!」


なんてことをよくダチと話していた。

しばらくすると業界用語もクラスに浸透していき、新鮮味がなくなった時だった。

牛乳瓶の底の様なメガネをかけて勉強もよくできた福島君。

しかし意外と負けず嫌いで俺たちが、からかうと反撃するタイプの優等生だった。

俺達はいつもの様にからかった。


「福島君は”ポンイ”かな?それとも”ローソー”かな?」


「いやっ、あいつは”ローソー”に決まってるよ!3秒ももたねーよ!ハッハッハ・・・」


すると怒った福島君が突然立ち上がり、後ろの席にいた俺たちに向かって言い放った。

教室は静寂の中、最初はゆっくりと低い声で


「おまえ、きのうのよる」


そこで突然「バン!」と机を叩き!


「ナニオー!・・・・・してただろっ!」と、言い放った!


もうその時には業界用語には先生も女子も慣れていて意味は理解していたので、教室は大爆笑だった。

業界用語がクラスへ浸透していき、新鮮味がなくなると俺達はそれをまた飛躍させていった。


例えば「チーズ」を「ズーチー」に変えるだけでは物足りず、


「アウンサン・ズーチー取ってくれる?」と言ったりした。


近くにいた人は「アウンサン・スーチー」と言ってなぜ「チーズ」が出てくるのか?

不思議に思ったにちがいない。

別に業界用語ばかり使っていたわけではない、こんなことも言っていた。