次の日、義姉夫婦が休みということで街にあるジャパンマートという所へ行った。

久しぶりの外出ということもあって気分がルンルンだった。

そこは日本食材屋とレストランをやっていて昼時になると日本人で賑わっていた。

食材屋の方には色々な張り紙が張ってあって、

例えば「売ります買います」「ルームシェア、フラットメイト募集」や「バイト募集」等、
日本人の情報源がそこにあった。

中に入ってみると色々な食材やお菓子、カップヌードルまで所狭しと置いてある。


「ＵＦＯなんてあるんだ！」


「＄５．９９？日本円で６００円！たけ～・・・本物の焼きそばより高いな！」


「うっ！ポテロング！」


思わず雄叫びを発しそうになった。


「まさか、うまいぼーなんてないよな～」


冗談半分に物色していると、本当にあった。


「ありやがった！」


日本人の心を揺さぶる、ツボをおさえた品揃えだった。

奥へ進むと古本屋やレンタルビデオまであった。

レンタルビデオのほとんどは日本で録画したものでドラマやバラエティーばかりだった。

もちろんパッケージなど無く、ただラベルにマジックでタイトルが書いてあるだけだった。


「音楽モノ以外の海賊版見るの初めてだな・・・」


一人でつぶやいていると義姉が


「久しぶりに日本食でも食べる？」


考えてみれば２週間近く和食は食べていなかった。


「うん！」


嬉しかった俺は、チビッコの様に大きく首をタテに振った。