俺の問い掛けに無言のまま
サマーは先を急いだ。

今日は日差しが強く、汗が溢れてくる。


「ねーここらで一休みしようよ・・・
タラコにぎりもあるし・・・」


こんなこと言ったら殴られそうなので、
この小さな胸に閉まった。

それにしても暑い!

こんなことだったら遠足用の
「凍らしたゲータレード」
持って来ればよかった!
タオル巻いて・・・

坂を3分の2ほど進んだ頃には商店街が
あり、スーパー、酒屋、八百屋、
ビデオレンタルまであった。

ビデオ屋を過ぎると水着姿のオネエちゃん
の姿も拝むことができた。


「もうすぐだな・・・」


砂浜はまだ見えないが海は見える。

右側には海に面した断崖絶壁があり、
その上には高級住宅が並んでいる。

ガラス張りの家もあり、
いかにも高そうだった。

まっすぐだった道はここから
左にカーブする。

そのカーブを曲がった途端、
美しいビーチが見えた。


「ワォ~」


俺はサマーに一歩出遅れて言った。

マネっ子みたいで悔しいので
もう一言付け加えた。


「ファッキングッド!」


するとサマーは一瞬にらみつけ、
無言のまま先を急いだ。

2、3分ほど坂を下ると右にはビーチ、
左には店が並んでいる。

その間には2車線ずつの車道があり、
その車道と車道の間にパーキングがある。

なんとも効率のいい作りだ。

俺達はまずビーチへ降りた。