駅2つぐらい行った頃だろうか、
電車が止まってなかなか出発しない。

すると体のごつい駅員らしき人が
「ここで終点だよ!」と俺たちに知らせた。

駅に降りると「ボンダイ・ジャンクション」
と書いてある。

逆方向の電車に乗ってしまたらしい。


「なんだよボンダイってよ!」


俺が愚痴りながら反対のプラットホーム
へ歩き出すとサマーが


「ここ行ってみない?
たしかビーチがあるはずだから・・・」


俺は内心ビーチより街が良かったが、
まだ午前中だったこともあり
サマーに付き合う事にした。

少し暗い地下から地上へ上がると、
日がさんさんと照りつけた。

実にまぶしい!まぶしすぎる!
そこの金髪のオネエちゃん達!

そのオネエちゃん達の後をついて行くと、
ちょっとしたショッピングモールがあった。

今日は休日ということもあってか、
ショッピングモールの店の前には
フリーマーケットもあった。

手作りのローソクを売るおばちゃんや、
ガラクタを売りつけるおっつぁん、
マッサージを奉仕する謎の中国人。

後ろのショップは迷惑ではないのかと疑問
に思ったが、ほとんどの店は閉まっていて
CDショップとパン屋が
開いているだけだった。

俺はまだ朝食を獲っておらず、歯を磨いた
だけだったので息が臭いはずだ。

早速、パン屋でミートパイを買う事にした。

俺はいつも通りカリーパイ
をいただく事にした。


「おばちゃん俺カリーね!」


「あいよ」


まるで高校の購買部で購入する
かのようにオーダーした。

オバちゃんはブクブクに太っていたが
足だけが異常に細く、まるでやじろべえ
のような体形だった。

左右に揺れながらガラス戸にバンバン
ぶつけながら、アツアツのカリーパイを
手渡した。