次の日の朝、サマーは突然
「今日の夕食は私たちが払おうよ。」
と言った。

テイク・アウェイ(出前)
を頼もうと言うことだった。

俺はサマーなりに反省したと思い
その日の夜、サマーたちが好きなものを
テイク・アウェイすることにした。

やはり人気はイタリアンだった。

俺はチャイニーズが良かったが、
サマーがひどく拒絶したので
結局イタリアンになった。

俺がチャイニーズにファーガス達を招待
しようとした時、サマーが乗る気
じゃなかったのはそういう
理由があるからだとその時気が付いた。

夕食が終わりそろそろ
出発の時間が迫ってきた。

俺とサマーは荷物のパッキングを済ませ、
ボボブラジルに荷物を入れた。

車からブリスベンの最後の夜景を見ている
と夜出発するのも悪くないなと思った。

バスターミナルまでさほど
時間は掛からなかった。

着いて時計を見ると、ちょうど良い
ころあいだった。


「ファーガス達には迷惑掛けたな・・・」


やはり2週間は泊める方にとっては
大変だったと思う。

しかもケンカはするし・・・

俺はそんな思いをどう
伝えれば良いかわからず


「日本に来たらウチに泊まってね!」


としか言う言葉が見つからなかった。

サマーは相変わらず長いハグをしていた。

しかし親戚の叔母さんと、
なぜこんなに仲良いのか?

良い意味で日本人にはちょっと
理解しがたく羨ましくもあった。

バスがやってくるとベンチに座っていた
他の客が一列に並び始めた。

他の客も俺達同様、家族と最後の
ハグをしバスに乗り込んだ。

俺達は車内から手を振り続けた。

しかしいつになってもバスは出ない。