「おい!」


兄貴が俺を呼び、彼らを紹介した。


「この人たちワーホリなんだって。」


するとその男たちは軽く会釈した。


「こいつもワーホリで一年間ここに居るんでヨロシク。」


兄貴が勝手に紹介した。

俺は「どうも」と言って会釈した。

するとその男達は手を差し伸べて俺と握手した。

ケアンズでは日本にいる日本人とは雰囲気が違い

フレンドリーで挨拶もオージースタイルだった。

一部の観光客を除いて日本人は「郷に入れば郷に従え」が得意である。

男達は既にできあがっていたが、日本の居酒屋にいる若い奴らとは違い
大騒ぎするでもなく、ただハッピーに飲んでいた。

なにせ入り口にあのキコリ2名がいたんじゃ大騒ぎも出来まい。

実は店内にも数人のセキュリティーもいた。

突然、女が俺に尋ねてきた。


「タバコもらってもいい?」


「いいよ。」


男達にビールをご馳走になっていたので、一本差し出した。

すると他の男達もタバコを忘れたのか、
欲しそうな顔をしていたので持って来ていた2箱を空けテーブルに置いた。

だんだん酔いが回ってきていい気分になってきたので、こちらからもいろいろ質問した。

すると女の方はそのオージーと付き合っているらしく、俺は興味津々に彼らの話を聞いた。

日本人女性はケアンズではモテるらしく、

たとえ日本では相手にされないような女性でもここではモテるようだ。

その理由には料理ができ、オージーの女ほど強くないからだそうだ。

そのオージーの男の話ではオージーの女は相当強くて怖いそうだ。

女は一通り話し終わると、2人きりになりたい様子で男の手を引っ張り帰っていった。