ということで俺の行きつけの飲茶のある
チャイニーズレストランまで
ボボブラジルを走らせた。

車の中から夜の街を眺めていると、
ふとっ、ある事に気が付いた。


「4人でいくらかかるかな?」


しかもディナーの時間帯は
まだ行ったことがなかった。


「ランチとディナーとでは値段が
違うんだっけ?やばい・・・」


アデレードまで金がもつか急に
心配になったが、2週間も泊めて
もらったんだからこれくらい・・・

俺は大きく構える事にした。

それにしてもサマーは相変わらず
他人事というか無関心というか・・・

この女には「ギブ・アンド・テイク」
って言葉が無いのか?

ボボブラジルがチャイナタウンに
さしかかると俺はファーガスに
そのレストランまで誘導した。

5分もしないうちに
レストランの前まで来た。

ボボブラジルを降りレストランの
階段を上がっていった。

英語をロクに話せない俺が得意げに
受付嬢に「4人だ!」と告げた。

その受付嬢は俺達を奥の
丸いテーブルまで案内した。

そのテーブルの真ん中には中華料理で
お馴染みの料理を
クルクル回せるものも付いていた。

早速メニューを開いた。

しかしどこを見ても飲茶がないっ。

俺はサマーに飲茶のメニューは
無いのか聞いてくれと頼んだ。

するとサマーはふて腐れたような
顔をし俺を無視した。


「なんだよ!」


俺はグツグツと煮えたぎる
血をグッと抑えた。