楽しみが1つ増えたことで、
この街での期待が膨らんでいった。

しばらくしてデカいショッピングセンター
の駐車場にボボ・ブラジルを止めた。

そこはショッピングセンター
だけではなく、色々な店やレストラン、
映画館まで入っていた。

今では日本にもシネコンといった
ものがあるが、当時の俺はこの
巨大な施設には圧倒された。

スーパーマーケットだけでも驚いた。

とにかくデカく、世界中の食材もあり、
調味料はビックリするほど
種類が豊富だった。

当時の俺は近所のセイフーしか行った事
がなかったので「ワォー」の連続だった。

特に肉やシーフードはキロ売りで
2,3キロのブタのどこかの部分が
無造作に陳列してあった。

そしてその豚肉の皮にでっかく「56」
と赤い文字で番号が書いてあった。

大雑把なのか?これが普通なのか?

俺にはわからなかったが、
豪快すぎる売り方にあ然とした。

もちろんセイフーでは
こんな豚肉見た事がない。

あるのはせいぜい100g
から500gだ。

しかしここに陳列してある肉類はどれも
1kg以上で、骨付きの肉でぶっ叩いたら
失神するにちがいない。

肉類に圧倒されていた俺はみんなから
はぐれ、このバカでかいスーパーマーケット
でサマー達を捜索しなければならない
ハメになった。

が、しかし捜索より俺の興味は
すぐにこのスーパーマーケットに向いた。


「まーブラブラ歩いていれば
見つかるだろう。」


野菜と果物のセクションに来ると山積み
にされたジャガイモやリンゴがある。

それを欲しいだけとって買う。

これは消費者にはありがたい。

日本では1袋いくら、1山いくらという
売り方なのでいつも余ってしまう。

お袋はいつも余った野菜を近所の
知り合いに無理矢理手渡していた。