お茶を飲みながらソファーでおしゃべりを
していると日も落ち、
辺りはすっかり暗くなっていた。

2人共、年齢が近いせいか話しやすく、
特にファーガスの英語はわかり易かった。

実はファーガスはオーストラリア人
ではなくスコットランドから来た移民
らしく、サマーはファーガスの英語が
分かりずらいと漏らしていた。

失礼な奴だと思ったが、2人は
もう長い付き合いのようだ。

それではなぜ、俺にはわかり易く聞こえた
のかというと、恐らくネイティブじゃない
分、言葉がストレートだからだと思う。

オーストラリア人の話し方は人それぞれで、
皮肉な言い回しで会話する人やユーモアの
センスを取り入れて退屈させない
話術をもっている人もいる。

しかし俺達エイリアンはそんな話術をする
余裕なんて無く、
ただ相手に伝えることで精一杯なのだ。

だからストレートになるのは必然なのだ。

俺達エイリアンと言ってみたが、
ファーガスを俺の仲間にするのは、
いささか気が引ける。

俺に比べてファーガスはもう何年も
ここに住んでいるわけで、会話が
ストレートとはいえ、俺とは比べようが
ないほと会話は出来る。

それとネイティブの彼氏もしくは彼女を
持つと、英語が瞬く間に覚えてしまう
という事を誰かに聞いたことがある。

俺もファーガスと同じ環境にいる。

やらなくては・・・

しばらくすると、誰からともなく「
ハングリー!」という言葉がでてきた。

そういえば俺も腹すいてきた。

ということでスーパーに
買い物する事になった。

階段を降り外へ出るとボボ・ブラジル号が
、ふて腐れた顔で駐車場に停まっていた。

かなりのご高齢ということもあって
これ以上エンジンに負担を
かけたくない様子だった。

俺達がボボ・ブラジルへ近づくと
ボボ・ブラジルの叫びが
俺には聞こえてきた。


「えー、マジで乗んの?」