一応、迎えに来てもらえるらしく

俺達は3Fにあるインフォメーション

センターの前のイスに荷物を下ろした。

俺は長旅の疲れから軽く
ストレッチしていた。

30分もした頃だろうか、
1台の古い日本車が飛ばしてきた。

飛ばすといっても一般道から俺たちのいる
3Fまではらせん状に上がらなくては
いけないので普通は10キロ程度
しか出せないはずだ。

しかしその車はタイヤをキィーキィー
いわせながら上がってきた。

そして俺たちの前で急ブレーキをかけた。

俺は非常に懐かしく感じた。

なにが懐かしいかというと、
地元のダチに全く同じ
走り方をした奴がいた。

日本ではそれをスラングで
「走り屋」という。

実際には1人でレーサー気分で走って
いるだけなのだが、俺はいささかそいつの
助手席にすすんでは乗らなかった。

その古いマーチから背の高い
スキンヘッドの男が出てきた。

俺は思わず後退りしたが、
サマーはその男に声をかけた。


「Hey ファーガス!」


そのすぐ後、助手席から
小太りな女が出てきた。


「Hey サマー!」


その小太りな女は満面の笑みでサマーの
元へ駆け出し、2人は抱き合った。

その2人の抱擁を温かい笑顔で
見つめるスキンヘッドの男。

順番待ちをしていたスキンヘッドの
男にもやっと抱擁の順番が来た。

その後、サマーは小太りの女の肩に手を
やりながら俺に2人を紹介した。


「彼女がヘレン、そして彼はファーガス」


俺は会釈しながら握手をした。


「俺が心配するほどじゃなかったな・・」