ところでウェンディーとカレンどちらが
お姉さんなのだろうと思い
サマーに日本語で聞いてみた。

するとサマーはわからないと言う。

俺はよくサマーに「どっちがお姉さん?」
「どっちが弟?」と聞くがサマーは必ず
「アイ・ドント・ノウ」と答える。

日本人であれば親戚はもちろん、
知り合いだって大体はわかるはずだ。

しかしオージーはあまり歳のことは
気にしないせいか親戚でさえどちらが
年が上かなんて
気にも留めないのかもしれない。

考えてみれば聞いたところで
「だから何?」ということになる。

やっぱり俺は日本人で、そういう癖が
染み付いているのがわかった。

夕食が終わりシャワーを浴びるとサマー以外
は既にベッドルームに入った様子だった。

まだ10時前だが俺も長旅の
疲れが出てきたので寝る事にした。

翌朝起きてみると心配していた
喘息はなかった。

野良猫とは違い、家の中で飼っている
ペットは清潔だからなのか?

いずれにせよ何事もなく安心した。

さて、ロックハンプトンはというと
タウンズビル同様、
なんの変哲もない田舎町だった。

むしろタウンズビルの方がマシに思えた。

観光地ではないので仕方はないが、
東京生まれの俺には3日も持たないだろう。

俺はサマーにお願いして
バスの予約をしてもらった。

サマーも長居はするつもりは
なかったようだ。

その日も特にどこかへ行ったわけ
ではなく、お婆さんの知り合いの家へ
行ったりしただけだった。

中にはサマーのことを知っている人もいた
が、俺にとってはこの上なく退屈だった。

退屈というより苦痛だった。特に会話の時。

英語が理解できないということよりも、
なぜ会話が出来ない俺を、
よりによって真ん中の席にするのか?

だから必然的に俺を挟んで
会話するようになる。