そして気になるのが猫。

今夜はパムお婆さんの家に泊まるはず
なので喘息にならないか心配だった。

今はラウンド中でこの先
アデレードまで長い道のりがある。

具合が悪いままバスに
乗り込むのはしんどい。

とはいえここ数年は喘息はおきていない。

小さい時に針治療をやった
お陰で今ではずいぶん良くなった。

小さいながらも針治療はすごいと思った。

なぜかと言うと治療を受けるため電車に
乗って水道橋まで行かなくてはならず、
階段を上るのがきつくてしょうがなかった。

しかし治療が終わり電車で帰るとき
には走って帰ったのを覚えている。

最近は再発していないが、
今ではタバコも吸うし酒も飲む。

もしかしたら・・・という思いがあった。
パムおばあさんは俺達の為に
ディナーを作っておいてくれた。

チキンの丸焼きにシチューだった。

今のオーストラリアは冬で夜になると
クイーンズランド州といえども寒い。

トレーナーが必要な日もある。
こういう日のシチューはありがたい。

温かい夕食をご馳走になっているとパム
お婆さんのもう一人の娘カレンが来た。

カレンも一見どこにでもいるオージーに
見えたが、ウェンディーと違うところは
スモーカーということだ。

俺達とハグを交わし、席に着くなり
タバコをプカプカと吸い始めた。

禁煙者の多いオーストラリアで
スモーカーを見るとホッとする。

ましていつもは他人の家にお邪魔している
時は、申し訳なさそうに外でタバコを
ふかしていたが、カレンの登場で
俺も家で遠慮なく吸える。

そして数少ないスモーカー同志、
ということもあって親近感が沸く。

滞在中、カレンよりウェンディーの方が
一緒にいた時間が長いのにもかかわらず
スモーカーのカレンの方がよく覚えている。

特にたくさん話をした訳じゃなかったが、
タバコを吸っている姿をよく覚えている。