バスを降りるとサマーの親戚が待っていた。

中年のおばさんと、その子供がいた。

サマーの親戚とはサマーのお父さん、
ブライアンのお母さんに姉が居て、
その子供と孫が居るらしい。

要するに従祖母1人、その子供2人、
孫1人ということだ。

ウェンディーという従祖母の子供はサマー
にとってハトコになるわけだ。

ウェンディーはどこにでもいる
オージーと言ったところで、
子供はエマといってメガネをかけた、
ちょっとおりこうさんな感じの子だった。

年はまだ10歳で恥ずかしがり屋だった。

サマーたちは相変わらずハグをしていたが、
初対面の俺には握手だった。

とはいえサマーとウェンディーもあまり
面識がなくサマーはバスを降りた時
「ウェンディー?」と確認していた。

話もそこそこに早速、ウェンディーの車に
乗り込み、お婆さんの家へ向かった。

15分も走らせるとウェンディーが
「ここよ!」といって車を止めた。

そこには2軒の家が並んでいた。

一つはお婆さんの家、もう一つは
ウェンディーの家だった。

こんなに大きいのになぜ一緒に
住まないのか不思議に思った。

それと2軒とも古いスタイルの家だった。

その家はクインズランダーといって
1階には柱以外なにもなく、
いきなり2階が住居になっているのだ。

要するに日本でいう
高床式ということだろう。

ここクイーンズランド州は他の州に
比べて1年中暑く日差しも強い。

その為、風通しを良くし湿気を無くすため
このような家が古くからあるとされている。

昔の人の知恵ってやつだろう。

ケアンズでもクイーンズランダー
はよく見かけた。

実際知り合いがクイーンズランダーに
住んでいたが、
エアコンなんて要らなかった。

下から涼しい風が舞い上がって
暑いと感じたことはなかった。

古い木造でハッキリ言って綺麗とは
いえないが、なかなか味のある家だった。