街が賑やかになるにつれ、バスターミナル
が近づいていると確信し、闘志が沸いた。


「まだ大丈夫だ!あと少し・・・」


とうとうバスターミナルらしき
ものが見えてきた。

しかしビターちゃんのニワトリのマネが
スローモーションの様に見える。


「ちきしょう!まだやってやがる!」


すぐにダッシュして外に出るため俺は
ウォークマンを手持ちのバッグに入れた。

バスが停車しドアが開いた。

席を立ちサマーの事を忘れ通路から
ダッシュしようとした時


「ドーーーン」


隣から物凄い衝撃と共に
俺は吹っ飛ばされていた。

何事だと思い横を見るとビターちゃんが
横から割り込んできやがった。

気が付くと、ため息と同時に
大きく息を吸っちゃっていた。

すっかり息を止めるのを
忘れてしまっていたのだ。

「ジーザス!くせーぜベイベー!」

ビターちゃんは何事もなかったかの様に
イノセントな顔をしていやがった。

俺は「なんなのコイツ?」というような
顔でサマーを見たが、サマーは肩を上げ
「しょうがないんじゃない?」
というような顔をした。

最後にこんな攻撃が待っていようとは
思いもしなかった。


「なんだよビターちゃんも
ここで降りるのかよ!」


「高須クリニックまでじゃねーのかよ!」


俺は悪態をついたが、ビターなひと時から
もう開放されると思い、怒るのを止めた。