それじゃ何を食べるのかとえば
ケロッグやパンばかり。

「あ゛~お腹空いた!」といって
死にそうな顔して仕事から帰ってきても
特盛のケロッグに牛乳ぶっかけて
食べれば満足なのだ。

腹減っている時ぐらいうまいもん喰いたい
というのが普通なのだが、
食べ物には一切関心がない。

若さに任せステーキをむしゃぶり
ついている俺の前で質素にサラダを
食べているサマーを見ると
申し訳なくなってきた。

そそくさと店を出てビーチの
前の道の土産物屋を見て帰った。

宿に着くとイヤな事を思い出した。

そう隣の住人。

しかし居るのか居ないのか物音一つしない。

今は居なくていいが夜中にドンチャン騒ぎ
で帰ってこられたらたまんない。

翌朝、そんな心配とはよそに、
サマーの話し声で起された俺は
ボヤけた目をこすると、

「ソーリー!」と、サマーとは違う
女性の声がした。

隣の住人らしく俺が起きたので
謝ったみたいだ。

サーファーらしいその女性のすぐ隣で
ニコニコしながら2人の話を
聞いている彼氏。

俺が起きた事によってあまり長居は無用
といった感じで2人は
荷物を出入り口へ運んだ。

どうやら今からチェックアウトするらしい。


「See Ya!」


お互いにそう言ってその2人は出て行った。

サマーの話だとその2人は
国内をラウンドしているらしく俺たち
とは反対の方向へ周っているという。

そのため彼らはこれからケアンズにも
行くのでサマーにおすすめの
スポットを聞いていたのだ。