宿は別として、もしアーリービーチを
気に入ったら何日そこに
滞在するかわからない。

そうなると宿泊費がかさんでしまう。
1泊1部屋$20とタウンズビルと
同じ値段には納得いかなかったが、

選択の余地のない俺達は
そこにするしかなかった。

しかしセキュリティーのない部屋、
隣の住人はどんな人物なのかも
わからない。

俺達は金目の物は
すべて持ち歩くことにした。


「こんな所にしちゃったけど
大丈夫かね?」


「だいじょうぶだよ!」


俺の心配をよそにサマーは
意外と平気みたいだった。

夕食をしに外へ出てみると
辺りは暗くなっていた。

夕食の前に辺りを散歩していると
バンドの演奏が聞こえてきた。

ビーチが目の前とあって周りの
バーやレストランは賑やかだった。

ビーチへ出てみると爽やかな風が
俺たちを癒した。

波の音と風に揺れるヤシの木の音が
心地良いアンサンブルを奏でる。

そこにビーチにマッチした
ボサノバを演奏するバンド。

アーリービーチへ来た甲斐があった。

酔いしれている俺とは裏腹にサマーは
「まぁ~いいんじゃない・・・」
というような表情だった。

俺にとっては新鮮なのだがサマーに
とっては小さい頃から見慣れている
風景なのかもしれない。

ビーチ沿いを歩いていると
肉のいい匂いがしてきた。

バンドが入った店にしようと思ったが、
その肉の匂いに誘われてホッグスブレス
というステーキ屋で食事する事にした。

実はケアンズでも1、2度入ったことが
あり、メニューと価格を知っていたので
つい独断で入ってしまった。

サマーはあまり肉が好きじゃなく
サラダだけ食べていた。

肉だけではなくシーフードも
一切食べない。