次の日の昼、俺達はバスに乗り込み
次の目的地アーリービーチを目指した。

アーリービーチまでは休憩を入れても
4時間で着いてしまい、
あっという間だった。

着いた時にはそろそろ
夕日になる頃だった。

早速、宿探しをする事になった。
インフォメーションセンターで探した
のだが、その時は混んでいてあまり
良い宿が見つからなかった。

というより選択する余地がなかった。

紹介された宿のオーナーに案内され、
受付とは別の建物へ行った。

そこは2階の少々小汚い宿で
日本のアパートみたいだった。

その2階には2部屋あるのだが奥の部屋
は既に誰かが入っていて
俺たちの部屋は手前という事だった。

中に入ってみると隣との
壁にはドアがあった。


「なんでドアがあるのかな?」


不思議に思っているとサマーが
そのオーナーに質問した。


「奥の部屋の出入り口は?」


するとオーナーは少し
うつむきかげんに言った。


「そのドアを通ってこのドアから出る」


要するに出入り口が共同で、しかも奥の
部屋の人は俺たちの部屋を通って外へ
出なければならないということだった。

すかさずサマーは


「男性?女性?」


「男女のカップル。」


俺はひとまずホッとした。

しかしこの国にプライベートがない宿が
あるとは驚きだった。

倍以上の料金を払えばもっと良い宿に
泊まれのだが節約しなければならない。