1週間後、無事に仕事を終えた時だった。

サマーがおばあさんの家で
食事をするというので行った。

町から車で15分ほどの所だった。

実は以前にも1度だけ食事をしたことがあった。

その時は、その家の近くのレストランだったが、
ロクに英語もできない俺に優しくしてくれた。

おばあさんの家に着くとおばあさんが
サマーとハグした後、俺にもバグをし、
ほっぺに軽くキスをした。

大きいプールの隣に長い大きい
テーブルにみんな座っていた。

サマーのお父さん、お母さん、
妹、弟達、そしておじいさんもいた。

俺は一通り挨拶を終えるとおばあさんが
「ここが君の席だよ」と言って俺を誘導した。

テーブルには置ききれないほど
沢山の料理が並んであった。


「たかがディナーにこんな盛大にやるなんて
やっぱりオーストラリアは違うな」


「でも殆んどはまた捨てちゃうんだろうな・・・」


と思っていると俺が座っていた
後方からおばあさんが何か運んできた。

すると突然みんなが
「Happy Birthday To You」を歌いだした。

そしておばあさんはケーキを俺の前においた。


「うそっ、俺?」


「今日はえーっと・・・」


すかさず腕時計を見た。


「15日・・・俺の誕生日だ!」


どうやらサマーが事前にセッティング
してくれたらしいが俺は恥ずかしくて
恥ずかしくてたまらなかった。

なぜなら子供の時以来、
お誕生日会なんてやっていなかった。

それどころか


「そんなもん誰がやるかっ!」


「なんでそんなもん重要なんだ!」


って思っていた。